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災い転じて福となるか? ・・・R1100RSの災難。 

BMW R1100RS。
最終モデルでさえも、製造後10年が経とうとしている車種です。
この車輌は製造後10年以上経過しています。

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遠方のお客様ではありますが、車に積み込んでの来店でした。

「エンジンが片側上手く燃焼しない」

走行中突然パワーダウンした感じで、そこからはアクセルを普段より多く開けて、発進時には半クラッチをこれも少し多めに使って帰宅したそうです。

お近くの修理屋さんや、ご自分で色々やったそうですが、上手くいかず、今回の山陰から大阪への遠征となりました。


「片側シリンダーが燃焼しない」とのお話だったのですが、お客様ご自身で私たちの考え付くほぼすべての対処をされていたのですが、基本的なところから確認していくことにします。
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プラグに火は飛んでいます。
クランキング時の圧縮圧力も正常です。


これはテスト用に置いてあるガソリンタンクとガソリンポンプのセット。
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その他確認した後、ガソリンの圧力が少なそうなので、他車のガソリンタンクを載せ変えてテストしてみますと、かなり症状は改善されました。



念のため、もう一度元のガソリンタンクを装着してテストです。
言い忘れていましたが、ガソリンポンプはガソリンタンクの中にフィルターとセットで組み込まれています。
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以下の動画は不調時のエンジン音です。




不良箇所がガソリンタンク内部に有りそうな所までは確認できました。
内部には電機式のガソリンポンプ。
ポンプで圧力をかけたガソリンを濾過するフィルター。
それらを接続するゴムホース。
ライダーインフォメーションディスプレー(通称リッド RID)に付くガソリンメーターのセンサー。
などなどが一塊で組み込まれています。

これがそのセットですが、原因かどうかはこの時点では分かりませんでしたが、ホースがボロボロ。
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新車製造時に組み込まれたままのガソリンホースが今まで使われていたようです。
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でも、特に大きくガソリンが漏れ出ているような亀裂や、ホースの外れ、ガソリンポンプ自身の破損は見当たりません。

しかし・・・・・
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接続部のホースを手で持つと・・・
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これは、直接の原因ではなくても再利用は不可能ですね。
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まあ、外してみますか。
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ゴムだったはずですが、硬化しています。
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ドライバーでコゼルと割れてやはり組み付け時使い物にはなりません。

裂けてしまいましたがようやく外れました。
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このホースはエンジン不調についての直接の原因ではなさそうです。
硬くはなっていましたが、ガソリンの漏れは無かったように見えます。


次のホースはガソリンフィルターを繋いでいます。 向こうに見えるホースは異常なし。
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ここに原因らしき痕跡が・・・・
分かりますかね?


取り外したフィルターですが、ホースの差込口のところに変色が確認できます。
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ホースの口からガソリンが漏れ出ていたようです。
でも、ガソリンに浸かって居るのにガソリンの流れた痕??

おそらく、ガソリンの残量の少ないときに流れた痕跡が付いたのでしょう。

せっかくガソリンポンプが造った圧力ですがココで大きくロスしていたようです。

しかし、ガソリンポンプの作り出す圧力は、エンジンの必要とする圧力よりは、かなり高圧です。
高圧すぎるガソリンの圧力を、必要とする圧力に減圧する部品がエンジン側についていますが、私たちはプレッシャーレギュレターと呼んでいます。

プレッシャーレギュレターが必要な圧力に調整した後の、余った圧力分のガソリンは再度ガソリンタンクに戻されるようになっています。

このRSは、ガソリンが漏れだしたときには、プレッシャーレギュレターがあまり仕事せずに済んでいたはずです。

漏れが大きくなった今回プレッシャーレギュレターがガソリンを全くガソリンタンクに戻さなくして、圧力をすべてエンジンに伝えても必要な圧力に届かなくなって、エンジンの不調として症状が出てきたのでしょう。


これがガソリンポンプの下側で、ガソリンを吸い込む部分にネットで大きなごみを捕るフィルターが付いています。
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破れています。


今回はエンジンの不調はガソリン関係でしたが、似た症状でバイクを「綺麗に大切にされる方」に多いのがこの部分のトラブルと言えないトラブル。
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エンジン左側のスロットル部分、初期型はワイヤーが3本。
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アクセルワイヤー、チョークワイヤー。
もう一本は右側のスロットルとの連絡用。
連絡用といっても、右側はこのワイヤーでアクセルを開けます。

右側のスロットルワイヤーが取り付く部分。
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   これは正常。


   これは異常。 
アクセルワイヤーがホルダーの部分に乗っかっています。
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これだと、ガソリンの噴射量を決めるスロットルポジションセンサーは左側の黒い箱なので、左が閉じていれば右側も閉じていると判断して、

右側にも少ししかガソリンを出しません。
右側ワイヤーがホルダーに乗っかり、少しアクセルが開いているので、空気だけ多めに入り薄い混合気になり調子が出ません。
アクセル開いてそれに見合ったガソリンが出れば、調子は悪いですが回転数は上がります。

「綺麗に大切にされる方」と書いたのは、清掃時の雑巾やウエスがワイヤーに引っかかり、ワイヤーが持ち上がっているケースを良く見かけるからです。


このR1100RSのオーナー様はその部分も確認されていました。


今回のトラブルは、来るべくしてきた感の有るホースでしたが、もう一つ整備の必要な箇所を見つけてしまいました。
早速部品を注文して作業に取り掛かります。
もちろんお客様には事情を説明してからの話ではあります。
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クラッチ交換。 現在は滑りは有りませんでしたが、クラッチレバーの感触や走行距離からごく近い時期に、滑りが出ると予想しました。
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クラッチ一式を取り外したエンジン後部。


こちらが取り外したミッションの前部。
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真ん中の赤くさびた部分にクラッチ板が刺さります。

取り外したクラッチ板と新品。
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そのクラッチ板を挟み込みエンジンの動力をミッションに伝える2枚の鉄の板。
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挟み込まれながら少しずつ磨耗して新品とはかなり違ってきています。
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これで、磨耗限界です。 メーカーの指定する交換時期は、はるかに越えているでしょう。

先ほどのミッションの前のクラッチの入る「スプライン」。
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おそらく、新車から大切に扱われてきたバイクのようで、過去にクラッチの交換無しで今まで走りきってきたようです。
しかしさすがに油切れして赤錆が出ています。


新旧のクラッチのスプラインの比較ですが、よーーーく見てください。
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スプラインの山が旧の方がとんがっているのが分かるでしょうか?
この部分は外部からの給油が上手くできないので、通常ミッションを降ろす時でなければ給油しません。


以前にも下記のような事もありました。
http://elfnoshippo.blog85.fc2.com/blog-entry-870.html

交換した旧クラッチ板。
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リベットを見てください。
裏表から交互にリベットでフェーシングを固定していますが反対は?
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丁度クラッチの使える部分を使い切り、リベットを擦り始めたところで、これ以上のクラッチの使用は先ほどの2枚の挟み込む鉄の板を傷めてしまうところでした。


まだ傷や削れは見当たりません。
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滑りが出てからのクラッチ板のみの交換では、この鉄の板に歪や磨耗が出来て滑りが止まらない事も多いです。
まあ、どんなときも正規の手順ではすべて交換のようですが、修理代は少しでも安く抑えたいのが人情です。


このR1100RSのオーナー様はガソリンポンプやホースフィルターなどの交換にプラスしてクラッチも交換しました。
しかし、今回ガソリンホースの件が無ければおそらくそのまま乗り続けていたはずです。
クラッチ交換に関してはベストタイミングだったと、私たちは考えていますしオーナー様にも喜んでいただけました。


今回はこんな風にボロボロになったホースが出てきました。
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しかしボロボロにならなくても、こんな状態になる事も珍しくありません。
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R1100GSのガソリンタンク。
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内側のココに付きます。
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こんな状態でガソリン漏れしていました。
エンジン回転で4000rpm以上で不調だったそうです。
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内側も確認。
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私の血管もこんなんかな~?
体動かしましょう。
「散歩せなあかんな」

この日は朝から散歩に行っていなかったので、
「出せ出せ」 とにぎやか。
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毎度元気に走り回るその様子を動画で見てください。



普段あまり見る事の無い光景。(蜂の羽音の音量に注意)
携帯電話を巣箱の中に入れてしばらく撮影してみました。






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