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「有朋自遠方来 不亦楽」と翌日到着した甘いやつ。 

11月のある日に遠路R1150GSの引き取りに来ていただきました。

ナンバープレートは「山口」。

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当方で販売した車両ではありませんが以前にも何度か山口県から遊びに来ていただき、点検修理させていただいています。



深夜の高速バスで大阪へ到着し、駅までお迎えに行き合流。

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箱は写真がありませんが、山口県岩国の銘菓をいただきました。

パイ生地のような外側に餡子が包まれた、お茶やコーヒーによく合う美味しいお菓子です。

ありがとうございました。


大半の整備はご自分で出来る方なので、しょっちゅうお会いできませんが時々お会いできるのは、こちらとしては嬉しいものです。

しかし、オーナー様からすれば修理屋にわざわざ預けるとなるとそれなりの理由があり、あまり嬉しい事ではないことが多いののが残念です。


そのあたりの経緯を、オーナー様の了解を頂いていますので、紹介させていただきます。


ご友人皆様と香川県の小豆島へツーリングに行かれた時の出来事です。


「エンジンの力が無く、4000rpmほど回したとき異音がした」

最初の電話でお聞きした内容はこのようなものでした。

「岡山の港にレッカーを依頼するから受けとってみてほしい。到着が夜になるけどいいかな?」

小豆島ではフェリー乗り場の港までは自走で走れたそうなので、軽症かもしれませんが自宅へ帰ってから大阪まで持ち込むのは大変なので、この際大阪へ運んでしまうことになりました。


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意外と早く午後8時過ぎには大阪府豊能郡迄大きなキャリアカーで到着しました。


到着時にエンジンをかけると、ごく普通にエンジンは始動し乗車して中まで乗り入れることは出来ました。



翌朝スタッフのフクチャンが・・・

「タンクの中でガソリン漏れてるわ!」

「ちょっと音きいてーや」




キーオンでガソリンポンプの回る音とは別に、「チャプチャプ」と音が聞こえます。

下は同じ車種の正常な音です。



ポンプの回る音はしますが「チャプチャプ」は聞こえません。

共にガソリンは少ない状態です。

ガソリンが多く入っているときは違う状況も考えられるので、参考程度に読んでください。


電気式のガソリンポンプがガソリンタンクの中に組み込まれている、このタイプの車両は、ガソリンポンプ、ガソリンフィルター、それらを接続するホース、ガソリンの残量警告灯のレベルセンサーなどが一まとめに組み込まれています。

エンジンキーをオンに回すと、一時的にガソリンポンプが回り燃料ラインに圧力をかけます。

一定の圧力になると、多いガソリンはプレッシャーレギュレターから再びガソリンタンクに戻されるのですが、過去の経験上ガソリンが少なくても「チャポチャポ」聞こえることは記憶にありません。

もちろんガソリンが多く入っていれば、戻ろうが漏れようが音はしないはずです。(ポンプの回る音はします)


走行中に異音が発生したのは、燃料の圧力が規定量より低くなり入った空気の量に対してガソリンが少なくなり、空燃比が薄くなったのでうまく燃えなくなりデトネーション等の異常燃焼が起こったのではないでしょうか。


予想はあくまでも予想なので、実際に何処で漏れているのかを確認します。

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まずはガソリンキャップを取り外し、ガソリンを出来るだけ抜きます。

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満タンだと結構重いのですが今回は比較的少なかったのは、ガソリンが内部で漏れ出る音からも想像できます。

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順番に取り外して。

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ガソリンタンクの内の右側にキャップが付き、配線やホースが付いています。

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ガソリンポンプやフィルター、リッド(RID)に入ったガソリンメーターのセンサー等が組み込まれたユニットです。

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取り外すと・・・・・

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左から電気式のガソリンポンプ(電磁ポンプ)、ガソリンフィルター、針金につながったフロートがガソリン計のセンサーは上側根元に可変抵抗部分が見えます。

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このどこから出るのでしょうか?


配線を繋いでテストしてみましょう。

万が一のためにバケツに水と近くには消火器も。



原因はユー字(U)型のホースのようです。

見た目は特に問題なさそうなんですが、結構な勢いで飛び出します。


下は参考の写真で、現車のものではありませんが、こんな亀裂が入ったり、ピンホール(針で突いたような穴)が出来ていたりすることもあります。

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今回小豆島でトラブルが出たR1150GSは、以前にガソリンポンプとフィルター、それと上の写真のストレートのガソリンホースはオーナー様ご自身で、タンクを取り外して交換されています。

しかし、その際にユー字型のホースは、大きさの割に高価だったのと、キットに含まれていなかったので交換されなかったそうです。

ひょっとしたら、新車時から交換したことが無かったのかもしれません。


燃料の圧力が漏れて、規定の圧力より下がると、ガソリンを噴射するインジェクターは電気的にオン、オフを繰り返しガソリンを出しますが、エンジンに入った空気に対して必要なガソリン量より、圧力が低い分出る量も少なくなります。


もう一つ気になる影響は、噴射パターン。

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真ん中に配線が入っている部品がガソリンを噴射する「インジェクター」。


これはBMWのオートバイのインジェクターではありませんが(スズキ ジムニー)同じような役割をする部品で、真ん中の小さな「穴」から霧状のガソリンを噴射します。

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噴射したガソリンの形(パターン)で出力特性や燃費、排気ガス浄化にも大きな影響があるそうです。

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こんな綺麗な円形なら問題ないですが・・・・


圧力が低いと、部分的にガソリンが霧状にならず滴り落ち、この椎茸の傘みたいな形に噴射し、残りは液ダレしてしまうことも。

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もしこんなパターンや液ダレを起こすと、直接的に感じやすいのは始動性の悪さやエンジンキーをオフにしてもエンジンが止まらない(ディーゼリング)ようなことが起こります。

R1150GSのインジェクターの噴射パターンは楕円か円形かそれ以外かは記憶にありませんが、圧力が低いガソリンで古いインジェクターは規定のパターンにはなりにくいはずです。



下はR80G/Sベーシックですが、この車両にガソリンポンプはついていません。

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ガソリンタンクよりキャブレターが下にあるので、ガソリンが落下する力を使っています。

したがってこの車両では必要な(使った)ガソリンのみタンクから出ていき、エンジンがガソリンを必要としなくなった(エンジン停止)ら、落ちてこなくなるようにキャブレターの中で調整しています。

まあ、時々上手くいかず溢れ出ることもありますけどね・・・

「オーバーフロー」

キャブレターとインジェクション。

どちらが良いかは個人の感覚によるところが大きいですが、キャブレター車で長期保管するならキャブレターの中のガソリンは出来るだけ抜いておいた方が次回楽にエンジン始動が出来るようです。

インジェクションの場合、ガソリンをシステム内から抜くことは通常できません。

心配する部分ではありますが、キャブレターのようにガソリンが空気に触れる場所はガソリンタンク以外にありません。

したがって気化するにもできません。

ガソリンタンクの中で考えればキャブレター、インジェクション共に同じなので長期保管に関してはインジェクションが有利かもしれません。

それにも、限度があるのは当然で、ガソリンタンクの内部にガソリンが少なくポンプ類が空気に触れていると、それら全てが錆だらけになることも当然起こります。


もっと進むと、ガソリンが腐り樹脂タンク以外のアルミや鉄タンクを腐食させ穴が開くこともありました。




下は先の山口県のR1150GSと、ほぼ同時期に入庫したR1100RT。

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こちらも同じようにガソリンタンクを取り外し、似たような作業を行いました。

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先ほどのR1150GSのガソリンタンクは鉄製でしたが、このR1100RTのタンクは樹脂製です。

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タンク右の内側にガソリンポンプなどのユニットが付くのは共通です。

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このRTは走行中「力が無くなり加速しなくなり、アイドリングも不安定。」

「問題無い時も多いので、来ようかやめようか考えた」

上のようにおっしゃっていました。

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お客様の表現は違いますが、似たような状態なので こちらもガソリンタンク内の燃料漏れを疑って分解です。

しかし、このRTはエンジンキーのオンオフで先のGSのような「チャプチャプ」音は確認できませんでした。

やはりガソリンの量にもよるし、出る場所にも影響されるのでしょうか。

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GSとは違うホースから出ているようです。

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エンジンキーをオンにすると、噴水のように噴き出すときもあれば、少しの角度の変化で出ない時もあります。
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これが調子良い時もある原因でしょう。
  




R1150GSのお客様がお帰りになった翌日、小荷物が到着。

周防大島の「魚屋さんちのしょうゆ」

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結構有名らしいです。

さっそく近所の「スーパー大安」鯛のお刺身と酢サバを購入し、牡蠣を入れた炊き込みご飯で頂きました。

あまーーいお醤油で、お刺身に向いているようですが炊き込みご飯にはもう少し量を少なく使うと良さそうです。


GSを引き取りにお越しの際に、事務所でご当地の食べ物などの話で盛り上がり、私が旅行の際「醤油や塩、味噌を出先で購入して帰る」等と話ししていたので、美味しいお醤油を送ってくださいました。

今回は故障での入庫になってしまいましたが、またいつでも遊びに来てください。

お醤油美味しかったのです。







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