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R1100GSの災難 

その災難の連絡はメールで入りました。


 『昨晩、会社からの帰りの信号待ちで急にエンスト。
 エンジンが少し冷えると再始動できるが、
 また直ぐにエンスト。
 修理に乗って行きたいが、道中でのエンストが心配。』

要約すると こんな内容でした。
01-090619.jpg
途中の山の中で、立ち往生しては 大変なので、
こちらから軽トラックの 尻尾号で引き取りに出向き
早速、症状の確認です。

まづはお客様がお話の症状が発生しなくては
対処のしようがありません。
02-090619.jpg

4輪用のエンジンクレーンで吊っている
白いものはR1100RSパールシルバーの
ガソリンタンク。
これでエンジンを始動すれば、ガソリンポンプと
フィルターは交換したことになります。
03-090619.jpg

私たちにとって一番厄介なのは
トラブルの再現が出来ないときです。


扇風機を用意して、長時間の確認作業を
覚悟して始めましたが、意外と簡単にエンストの
症状が出ました。

お客様がおっしゃるように、エンジンが温もると
ガス欠のような症状で、エンストします。

2気筒が1気筒分死んで、片側エンジンだけになり
エンストする気配ではありません。

左右のエンジンが同時に止まろうとするようです。

このエンストの症状を確認できた時点で、
何点かの可能性が頭の中に思いついていました。
ガソリンポンプ、ガソリンフィルターは交換済み、
ガソリンポンプの電源リレー、クランキングセンサー、
イグニッションコイル、エンジンコントロールの
モトロニックコントロールユニット(エンジンコンピューター)
などなど色々と頭の中を駆け巡ります。
13-090619.jpg

モトロニックコントロールユニットやガソリンポンプ、
ガソリンフィルターなどのテストを
済ませて今日はこの辺で、中断です。
また明日の朝からテストすることにします。

通常、今まで問題無く走行していた車両が
走行できなくなった場合は、動かなくなった原因は
ひとつだけの場合が多いと思います。
だから、明日の朝には今日テストできなかった
項目を試せば原因がつかめるはずです。


翌日の朝、再度イグニッションコイルを交換して
エンジン始動。
「あれ??  うん?・・・・おかしいな~」
04-090619.jpg

  ドコ ドコ トン トン トン トン ブシュッ
「なんでや? きのうとちゃうやんか?」
「昨日は冷えてるときは普通にかかってたやんな~」
片肺(2気筒のうち片側が死んでます)で、
上手くエンジンが回りません。

昨日と症状が変わったので、こんなときが一番ややこしいです。
交換したイグニッションコイルが悪い可能性も
あるので元に戻してみましょう。

結果は同じで
  ドコ ドコ トン トン トン トン ブシュッ

でも、今回はインジェクターで結論です。
エンジン始動時に、写真のインジェクターを
手で握っていると、本来はコッコッコッ とか
チキ チキ チキ なんて聞こえる音と共に
手には振動が伝わってきますが、今回は片側に
その振動が伝わってきません。

「インジェクターつぶれたか~?」
『インジェクターの配線の可能性もあるな~。』
『モトロニックコントロールは?』
「片側だけは確率低いやろ?」
なんて会話しながら、まずはインジェクターから
05-090619.jpg

ちなみにインジェクターはガソリンポンプで
圧力を高くしたガソリンを霧状にして、空気に
混ぜる役割を担ってます。
電磁バルブで開け閉めしていますが、先端が
悪くなれば、本来霧状に噴霧しなければいけない
ガソリンが液だれ(水滴のまま)してアイドリングしない
こともあります。

しかし今回はインジェクターまでの配線に
電気は来ているので、どうやらインジェクター内の
電磁バルブの不良のようです。
06-090619.jpg

原因がわかれば、対策は簡単ですね。
そこで問題は、新品を使うのか?
中古を使うのか?
今回は手持ちの中古のインジェクターを
取り付けて、解決です。



しかしここまでの修理で解決したのは、
昨日は発生していなかった症状で、
お客様から申告のエンストには
関係ないはずです。


再びエンジンに扇風機で風を送りながら、
暖機していくと・・・・

案の定、今日もエンジンは止まりました。
やはり昨日の症状にはインジェクターは
関係なさそうです。
07-090619.jpg

ここから色々テストして、出た結論は、
ベルトとプーリーを取り外して・・・・
08-090619.jpg

イグニッションパルスセンサー(クランキングセンサー)。
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10-090619.jpg

何をしている部品かと言うと、
どのタイミングでイグニッションコイルに電気を
流してガソリンに火を点けるかの、元になる信号を
とっている部品です。
昔の車両に付いていた
「コンタクトポイント」がこれに近い
役割を担っていました。
しかし、ポイントは「フルトラ、CDI化」で
姿を消していきました。

こちらも原因がわかれば、対処は出来ます。
イグニッションパルスセンサーは高額ですが
これの不良は、エンジンが始動できなくなるので
念のため新品部品を今回は用意です。
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インジェクターが不良で、片側のエンジンに
ガソリンが供給されなくても、何とか
できる人もいるかもしれません。
12-090619.jpg

しかしパルスセンサー不良となれば、ちょっと
無理かもしれません。

そうそう、同じエンジン片肺でも
走行すると触媒が真っ赤になったりする危険がある
場合もあります。
ガソリンが供給されて、点火されていない
片肺は、未燃焼のガソリンが触媒に流れ込んで
触媒を溶かしてしまうこともあるほどの高温に
なります。
インジェクター不良のガソリンが供給されていない
片肺は、車両を少し移動させたりする程度では
触媒は溶けてしまう事は無いはずです。

国産車では、触媒が採用されたのは
最近ですが、BMWでは結構昔から
オプション設定で触媒付きモデルが
選択できました。
無しに比べて高価でしたが、触媒つきを
選択された当時のオーナー様も、多かったようです。

ちなみに今回のR1100GSも、触媒付き。

14-090619.jpg


現在このGS君は社会復帰を果たして
オーナー様の通勤快速として、
まずは20万キロ目指して
毎日距離を伸ばしています。

2箇所も同時に故障が発生するのは
珍しく感じます。
何か症状を感じながら、だましだまし乗っていた車両が
違う原因のトラブルで不動になった際に同時に修理するのは
頻繁にありますが、今回のようにパルスセンサー、
インジェクター共に前兆無く突然同時に故障することは
確率的にはどれくらいなんでしょう?
私たちが販売した200台ほどのBMWの中では
初めての経験でした。

クランキングセンサー単体のトラブルは過去にも
何度も経験しています。


インジェクターも何度か交換してきました。

しかし同時は初めて。
考えようによれば、2回の別々に故障するよりは
オーナー様には都合が良かったのかもしれません。







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